オンライン講座の価格は、受講後にできること、提供方法、サポート範囲、運営に必要な費用と時間を整理して決めます。同じ動画の長さでも、録画教材だけを渡す場合と、個別に添削する場合では、価格を考える条件が違います。
「高くしたら売れない。でも、安くすると質問に答えるほど苦しくなる」
この迷いは、金額だけを見ていても解けません。あなたが何を、どこまで届けるかを先に決めましょう。提供条件と収支を並べれば、売れた後も続けられる価格案を作れます。
値段を付ける前に、何ができるようになる講座かを決める
僕はDRMの教材で、価格と、相手が感じるオファーの価値を分けて考えています。安くすれば誰でも買うわけではありません。自分に必要な変化へ進めると感じられるかが大切です。
たとえば「動画10本」だけでは、何を得られるか分かりにくいです。「自分の経験を整理し、体験レッスンの構成と台本を完成させる」なら、相手は受講後の使い道を考えられます。
これは説明用の架空の講座です。成果を保証する表現にせず、完成物と、そこへ進むために提供する教材・支援を対応させます。
| 価格を考える前の項目 | 架空の記入例 |
|---|---|
| 対象 | 教えたい経験はあるが、説明する順番が決まらない人 |
| 完成物 | 体験レッスンの構成と台本 |
| 教材 | 構成の作り方、台本の記入例、試し読みの手順 |
| 本人が行うこと | テーマ選び、原稿の記入、試作 |
| 提供しないこと | 販売代行、売上保証、無制限の添削 |
金額を変える前に、この説明を読んだ人が、自分向けか判断できるようにしてください。
録画・ライブ・伴走で、価格に含むものを分ける
| 提供形式 | 読者に渡すもの | 価格設計で確認すること |
|---|---|---|
| 録画教材 | 自分の都合で見られる説明とワーク | 視聴期限、更新、質問対応の有無 |
| ライブ講座 | 決まった日時の説明と質疑 | 開催回数、定員、欠席時の扱い |
| 個別伴走 | その人の成果物への判断・添削 | 面談と添削の回数、連絡条件、対応範囲 |
録画なら必ず安く、伴走なら必ず高く、という相場表ではありません。専門性や対象者、完成物、販売場所によっても条件は変わります。
特に「質問し放題」「完成までサポート」は、期間と範囲が見えないと運営時間を見積もれません。質問の対象、返信の目安、添削回数、支援終了の条件まで決めておくと、買う側も提供する側も判断できます。

収支は、売上・変動費・固定費・自分の時間に分けて計算する
価格案ができたら、売れたときに何が残るかを計算します。ここでは計算方法を示すため、仮の数字を使います。推奨価格、実在サービスの料金、城の販売実績ではありません。
録画講座を1件12,000円、月に10件販売し、決済など販売ごとの費用を売上の5%と仮定します。月のシステム費用は8,000円、その他の費用はないと置きます。
売上:12,000円 × 10件 = 120,000円
販売ごとの費用:120,000円 × 5% = 6,000円
月の固定費:8,000円
差引:120,000円 − 6,000円 − 8,000円 = 106,000円
この106,000円には、制作時間への対価、広告費、税金などを含めていません。自分の事業で発生する費用を足し、売上と手取りを混同しないようにします。税込・税抜を混ぜず、同じ基準で入力してください。
販売ごとに残る金額は、12,000円 − 600円 = 11,400円です。この単純な条件なら、固定費8,000円を上回るには1件の販売が必要になります。ただし、制作費や自分の労働まで回収できたという意味ではありません。
個別対応は、受け入れる人数からも確かめる
架空例として、1人への面談・添削・連絡に合計4時間かかるなら、月10人で40時間です。教材制作や集客の時間は別に必要になります。
その時間を確保できないなら、値上げだけを考える前に、定員、添削回数、共通教材で説明できる部分を見直します。提供できない支援を価格へ乗せても、約束を果たせません。

比較するのは競合の値段だけでなく、対象と提供条件
同じテーマでも、動画のみの講座と、毎週添削する講座を金額だけで比べると判断を誤ります。
候補を比較するときは、対象者、完成物、教材、支援、期間、販売場所、追加費用を同じ表に書きます。公開ページで確認できない条件は「未確認」と残してください。高額だから手厚い、安いから内容が薄い、と推測しません。
Udemyなどのマーケットプレイスでは、価格設定や割引の仕組みも関わります。自社販売の価格案をそのまま当てはめず、Udemy公式の価格設定ガイドで、参加するプログラムと現行条件を確認してください。
候補価格は、感想と実際の購入を分けて検証する
対象者へ完成物と提供条件を示し、「どんな場面で必要か」「何が判断できないか」「他の方法と何を比べるか」を聞きます。
「その値段なら欲しい」という回答は、購入実績ではありません。実際の申込、提供にかかった時間、質問や返金の理由も記録して、続けられるかを確かめます。
値下げ前に、価格以外で止まっていないか調べる
見本がない、対象者が曖昧、申込の途中でエラーが出る。こうした問題は、価格を下げても残ります。オンライン講座が売れないときの診断で、集客・販売ページ・申込を分けて点検できます。
逆に、提供内容を理解した対象者から価格の懸念が繰り返し出るなら、支援範囲を絞った別商品を考える材料になります。僕は、同じ支援をそのまま安くするより、教材のみの入口と個別支援を分ける方法を考えます。根拠のない「通常価格」を置いて、割安に見せる方法には頼らないでください。
個別支援を加えた商品の設計は、高単価商品の作り方でも扱っています。この記事の価格表に個別支援を足すだけでなく、その人ごとに何を判断して支えるかまで設計してください。
価格変更は、既存の申込条件と分けて扱う
買い切り、月額、年間契約は、更新と利用期限の条件が違います。新しい価格を考えたことと、既存契約を変えてよいことは別です。
販売ページと申込画面には、支払方法、提供期間、更新の有無、解約と利用期限、追加費用を分かる形で示します。自分の事業の契約条件と販売システムを照合してから受け付けてください。
この記事の記入シートをダウンロードする(CSV・記入例付き)
ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて使えます。記入例は説明用の架空例です。ご自身の情報へ置き換えてください。
まずは、あなたの講座の到達点と支援範囲を書き、候補価格で収支と時間を計算してみましょう。金額を先に正解にするのではなく、読者が選べて、あなたが届け続けられる条件へ整えることが大切です。
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あなたの経験を、講座と本で届けるには
今ある知識や経験を、講座や本にして必要な人へ届けたい方へ。僕の著書『マーケティング不要の次世代型コンテンツビジネス』で、何を商品にするか、AIとどう分担するか、学びたい人が集まる場所でどう届けるかをお伝えしています。

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