多くの初心者が陥るマーケティングの罠、それは「いきなり本命商品を売ろうとすること」です。
高額な本命商品が売れれば大きな利益につながりますが、信頼関係のない状態で高額商品を勧められても、購入する人はほとんどいません。
僕は自動化された仕組みで月5,000万円を安定的に生み出しています。
その成功の核となっているのが、戦略的な「おとり商品」と「本命商品」の組み合わせです。
市場が成熟し、商品の質だけでは差別化が難しい現代において、この2段階商品設計は最も効果的なマーケティング手法の一つといえます。
【基礎知識】2段階商品設計の具体的な手順
2段階商品設計とは、「おとり商品」と「本命商品」を組み合わせて、段階的に顧客を獲得していく手法です。
マーケティング用語では、おとり商品を「フロントエンド」、本命商品を「バックエンド」と呼びます。
この手法により、顧客との信頼関係を段階的に構築し、価格競争を避けながら、効率的な教育が可能になります。
なぜ2段階商品設計が必要なのか
2段階商品設計が必要な最大の理由は、いきなり高額商品を売ろうとしても、見込み客の心理的ハードルが高すぎるからです。
たとえばダイエットプログラムの場合、いきなり20万円の商品を売ろうとしても、見込み客は
「そんな高額な商品を買うリスクは取れない」
と考えてしまいます。
その代わりに、最初は「1週間で2kg痩せる食事法」といった価値あるおとり商品を提供することで、
以下のような効果が生まれます:
- 見込み客の警戒心が下がる
- あなたの提供する価値を実感できる
- 次の商品への期待が自然と高まる
これは通販業界で長年実証されてきた手法です。
見込み客は、小さな成功体験を通じて、より大きな成果への期待を抱くようになります。
そして、本命商品への自然な流れが生まれるのです。
この2段階商品設計の最大のメリットは、価格競争から脱却できることです。
おとり商品で十分な教育ができれば、見込み客は価格だけでなく、本当の価値を理解した上で購入を決断します。
成功する商品設計の3つの原則
2段階商品設計を成功させるための原則は、以下の3つです:
- おとり商品で利益を追求しない
おとり商品の目的は「見込み客のリスト化」です。
利益を追求して価格を上げれば、見込み客の数は減ってしまいます。
無料や格安で提供し、見込み客の獲得を最優先すべきです。 - 本命商品との関連性を重視する
おとり商品は、本命商品の価値を予感させるものでなければなりません。
例えば、ダイエット講座を販売したい場合、アマゾンギフト券をおとり商品にするのは間違いです。
「効果的な食事法レポート」のような、本命商品と関連性の高いものを選びましょう。 - 教育要素を組み込む
おとり商品自体に教育的な価値を含める必要があります。
心理学の「返報性の法則」によれば、価値のある情報を無料で提供されることで、顧客は好意的な感情を抱き、本命商品の購入へとつながりやすくなります。
これら3つの原則を守ることで、自然な流れで本命商品の販売に移行できます。
重要なのは、近視眼的な利益追求ではなく、長期的な関係構築を重視することです。
おとり商品と本命商品の違いを理解する
おとり商品と本命商品は、それぞれ以下のような特徴を持っています:
【おとり商品の特徴】
1.価格設定
- 無料〜数千円程度
- 気軽に手に取れる価格帯
2.目的
- 見込み客のリスト化
- 信頼関係の構築
- 本命商品の予告編としての役割
3.形式
- PDFレポート
- メール講座
- 無料セミナー(一部公開)
【本命商品の特徴】
1.価格設定
- 数万円〜数十万円
- 適切な利益が確保できる価格帯
2.目的
- 本格的な問題解決の提供
- 事業収益の柱となる商品
3.形式
- オンライン講座
- コンサルティング
- コーチングプログラム
重要なのは、おとり商品が無料や格安だからといって、手を抜いた内容にしないことです。
むしろ、見込み客に「有料版ならもっと価値がある」と期待を持ってもらえるよう、おとり商品でも確実に価値を提供する必要があります。
【価格設定】無料〜10万円の商品設計の考え方
価格設定は商品の成功を左右する重要な要素です。
特に個人事業主の場合、「薄利多売」よりも「厚利少売」の戦略が圧倒的に有利です。
例えば、100万円の売上を目指す場合:
- 100円の商品を1万個売る(薄利多売)
- 10万円の商品を10個売る(厚利少売)
後者の方が現実的です。なぜなら、1万人に売るよりも10人に売る方が、はるかに実現可能性が高いからです。
しかも重要なのは、商品の価格帯による成約率に大きな違いはないという事実です。
ここでは、おとり商品から本命商品まで、最適な価格設定の具体的な方法論をお伝えしていきます。
個人事業主に最適な「厚利少売」の戦略
個人事業主が陥りやすい罠は、「安ければ売れるはず」という考え方です。
しかし、市場は既に成熟しており、単純な価格競争では大手企業に太刀打ちできません。
厚利少売が個人事業主に最適な理由は以下の3つです:
1.リソースの効率的な活用
- 少ない顧客数で目標売上を達成可能
- 一人一人に十分な時間を割ける
2.価格競争からの脱却
- 価格以外の価値で勝負できる
- ブランド価値を維持できる
3.スケールの容易さ
- 小規模から始められる
- 段階的な成長が可能
具体例として、月100万円の売上を目指す場合を比較してみましょう:
【薄利多売の場合】
- 5,000円の商品を200個売る必要あり
- 毎月200人の新規顧客が必要
- 大量の広告費が必要
【厚利少売の場合】
- 50万円の商品を2個売れば達成
- 毎月2人の優良顧客の獲得で十分
- 手厚いサポートが可能
重要なのは、高額商品であっても、適切な教育とターゲティングを行えば、むしろ売りやすくなるという点です。
価格ではなく、価値で勝負できる市場を作り出せるのです。
本命商品の価格決定メカニズム
本命商品の価格は、単なる原価計算や市場相場ではなく、「提供できる価値」と「顧客の投資回収期間」を重視して決定します。
以下が重要な要素です:
1.オファー価値の方程式
オファーの価値
= (夢のような結果 × 達成できると信じる度合い) ÷ (達成にかかる時間 × かけるべき労力と犠牲)
この方程式から導かれる価格設定のポイント:
- 3ヶ月で結果が出る方が、1年かかるより高い価格設定が可能
- 成功事例が多いほど、高額でも販売しやすい
2.アンカリング効果の活用
アンカリング効果とは、最初に示された数字を基準に価値判断する心理傾向です。
効果的な活用例:
「大学4年間の学費○○○万円に対し、この講座は100万円」
3.回収期間の考慮
- 初心者向けは1年以内の回収を目安に
- 分割払いなどの支払いオプションを用意
価格設定の具体例:
【6ヶ月コンサルティングの場合】
月額10万円×6ヶ月=60万円
↓
一括前払いなら50万円
おとり商品の価格設定パターン
おとり商品の価格設定は、見込み客の心理的ハードルを下げることが最優先です。
しかし、ただ安ければいいというわけではありません。
以下の3つの基本的な価格帯があります:
1.完全無料パターン
メリット:
- 導入障壁が最も低い
- 多くのリスト獲得が可能
デメリット:
- 本命商品との価値の差が大きすぎる
- 安易な登録者が増える可能性
2.ワンコイン(500円)〜3,000円パターン
メリット:
- 気軽に購入できる価格帯
- 有料という価値認識がある
デメリット:
- 無料と比べてリスト数は減少
- 決済システムの導入が必要
3.5,000円〜1万円パターン
メリット:
- より質の高い見込み客が集まる
- 本命商品への価格差が適度
デメリット:
- リスト獲得数が限定的
- より充実したコンテンツが必要
実際の商品形式例:
- PDF形式の無料レポート
- 基礎講座(ワンコイン)
- 個別コンサル体験(5,000円以上)
【実践編】おとり商品から本命商品への誘導設計
おとり商品を受け取った見込み客を本命商品の購入へと導くのは、DRMの中で最も重要なプロセスです。
ただし、セールスのテクニックに頼るのではなく、見込み客が「自然に購入したくなる」ような流れを作ることが重要です。
自動化された仕組みで月5,000万円の安定収益を実現できているのは、強引なセールスではなく、適切な誘導設計があるからです。
ここでは、見込み客の心理に寄り添った、持続可能な誘導設計の作り方を解説します。
顧客心理を考慮した商品導線の作り方
見込み客を本命商品の購入へと導くには、心理的なハードルを一つずつ下げていく必要があります。
一足飛びに販売しようとすると、見込み客は途中で離脱してしまいます。
効果的な商品導線の3つのステップ:
1.信頼関係の構築フェーズ
- おとり商品の提供直後が最も重要
- 期待以上の価値を届ける
例:無料PDFダウンロード直後に
・すぐに実践できるノウハウを提供
・さらなる価値の予告をする
2.問題意識の深堀りフェーズ
以下のようなステップメールを配信:
Day1: 現状の問題点の明確化
Day2: 放置するリスクの提示
Day3: 理想の未来像の提示
3.ウェルカムシーケンスからローンチシーケンスへ
- ウェルカムシーケンス:見込み客との信頼関係を築く
- ローンチシーケンス:本命商品の販売へ移行
重要なのは、これらのステップを急がないことです。
信頼関係が十分に構築されていない状態で解決策を提示しても、見込み客は警戒心を抱くだけです。
成約率を高める段階的な価値提示法
成約率を高めるには、本命商品の価値を段階的に提示していく必要があります。
一度に全ての価値を伝えるのではなく、見込み客の理解度に応じて、適切なタイミングで情報を提供します。
価値提示の3段階:
1.表層的な価値(即効性)
- すぐに得られるメリット
- 目に見える具体的な成果
例:1ヶ月で5kg痩せる方法
2.実用的な価値(実践性)
- 長期的に使える知識やスキル
- 再現性の高い手法
例:リバウンドしない食事管理の仕組み
3.本質的な価値(転用性)
- 人生を変える気づき
- 他分野にも活用できる原理原則
各段階での提示タイミング:
おとり商品→表層的な価値
教育段階→実用的な価値
販売段階→本質的な価値
ここで重要なのが「ワン・シング」の概念です。
各段階で1つの重要なメッセージに絞り、なぜそれが重要なのかを具体的な事例で裏付けます。
具体的な誘導シナリオの作成手順
誘導シナリオは、見込み客が自然に「購入したい」と思える流れを作るものです。
以下の3つのステップで設計します:
1.接触ポイントの設計
基本的な流れ:
Day1: おとり商品提供
↓
Day2-4: ウェルカムシーケンス
(信頼関係構築のメール)
↓
Day5-10: ローンチシーケンス
(本命商品の販売へ)
2.コンテンツの具体的な内容
【ウェルカムシーケンス】
- 1通目:自己紹介と価値提供
- 2通目:具体的なノウハウ
- 3通目:成功事例の紹介
【ローンチシーケンス】
- 1通目:問題提起
- 2通目:解決方法の概要
- 3通目:本命商品の案内
3.測定と改善のポイント
- メール開封率の計測
- クリック率の分析
- 脱落ポイントの特定
重要なのは、常に見込み客の立場に立ち、「次に何を知りたいか」を考えながらシナリオを組み立てることです。
一方的な販売メッセージではなく、見込み客の成長をサポートする姿勢で情報を提供していきます。
【まとめ:DRM成功の要点と実践ステップ】
DRMの成功は、商品設計と誘導設計の2つが鍵を握ります。
本記事で解説した内容を実践するための重要なポイントは以下の通りです:
1.2段階商品設計の基本
- おとり商品は利益を追求せず、リスト獲得を優先
- 本命商品との関連性を必ず持たせる
- 価値提供を常に意識した内容設計
2.価格設定の原則
- 個人事業主は「厚利少売」戦略を採用
- おとり商品は心理的ハードルを下げる価格設定
- 本命商品は提供価値に見合った適切な価格設定
3.誘導設計のステップ
- ウェルカムシーケンスで信頼関係を構築
- 段階的な価値提示で期待感を醸成
- ローンチシーケンスで自然な購買意欲を喚起
最後に重要なのは、「主人は商品、マーケティングはそれに従属する」という原則です。
いくら優れた仕組みでも、本質的な価値がなければ持続的な成功は望めません。
まずは確かな価値を持つ商品を用意し、その上でこれらの手法を実践することで、持続可能な成功を実現できます。
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