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AIに自分の文体を学習させるには?原稿からルールを作り別の課題で確かめる

AIに自分の文体を学習させるには?原稿からルールを作り別の課題で確かめるの説明用イメージ(AI生成)

AIが書いた文章は整っている。でも、自分の文章を読み返したときの感覚とは違う。「僕」を使わせたり、いつもの口癖を足したりしても、どこか他人の声に見える。直すたびに必要な説明まで消え、どこが違うのか分からなくなると、原稿づくりも止まってしまいます。

自分らしく書いてもらうには、自作原稿から書き方のルールを取り出し、分析に使わなかった課題で確かめるところまで進めましょう。似た語尾が増えたかだけでなく、あなたが伝えたい意味を保てているかを比べるのです。

なお、参考原稿と指示をAIへ渡すことと、モデル自体を追加学習させることは別の方法です。ここでは、原稿と文体仕様書を参照させる方法を扱います。渡せば永久に覚える、別の会話にも必ず引き継がれる、といった前提は置きません。

目次

自分の文章を渡すだけで終えず、何をまねるかを分ける

語尾が同じなら自分らしいのでしょうか。たとえば、慎重に条件をそろえてから判断する人の文章へ、勢いのある口癖だけを散りばめても、考え方まで再現したことにはなりません。

僕は、文の見た目だけでなく、何を根拠に判断し、どこから説明するかも大切にしています。文章を良く見せるために、経験や実績を足してしまえば、あなたの文章から遠ざかります。

僕たちの原稿制作教材では、実務を担当するりんちゃさんが、本人の素材と書き方のナレッジを分け、構成を確認してから本文へ進む方法を説明しています。これからの短い検証例は、その考え方を記事用に整理した架空例です。教材の実演結果や、城本人の文体を再現した実験ではありません。

分析に使う原稿と、確かめる課題を最初に分ける

自分が書き、利用する権利のある原稿を集めます。ブログ、メール、書籍などで構いません。AIが作った未確認の文章を自分の代表例にすると、その癖までまねさせてしまいます。

まずは同じ媒体、近い目的の文章から選んでください。案内メールと学術レポートを混ぜて共通語尾だけを拾うより、今回書きたい媒体での判断を取り出せます。数が多ければ十分とは限りません。

そのうち一部は分析に使わず、後の確認用へ残します。さらに、原稿と別の題材を短い入力課題として用意します。分析した文を言い換えるだけなら、別の内容でもあなたらしく書けるかは分からないからです。

公開していない原稿、顧客の相談、個人情報を含む文章は、そのまま外部サービスへ投入しません。使える範囲を確認し、不要な情報を除き、利用するサービスの保存やデータ利用の設定も確かめてください。

原稿からルールを作り、別の課題で確かめる:自作の実物は媒体と目的をそろえ、確認用を一部残す、仮のルールは観察・文例・未確認事項を分ける、未使用課題は同じ入力と条件でA/Bを保存、仕様書へ戻すは意味と自然さを確認し、別課題でも試す
原稿からルールを作り、別の課題で確かめる。本文の手順・判断を整理した説明図です。

実物の観察から、仮の文体ルールを作る

以下は、架空の書き手が自分で書いたと仮定する2つの短文です。実在の著者の原稿ではありません。

原稿1

集計が合わないと、式を全部直したくなります。まず、集計に使う範囲を確認してください。空欄が混じっていれば、原因を絞れます。

原稿2

資料が長いと、色を増やして目立たせたくなります。まず、読んだ人にしてほしい行動を一つ決めてください。飾りを足す前に、要点を選べます。

この2つから、観察と仮説を分けます。

原稿で観察できること 仮のルール 確認が残ること
どちらも困る場面から始まる 抽象的な定義より、困る場面を先に置く 説明記事全体にも当てはまるか
「まず」の後に具体的な作業がある 最初にする行動を1つ示す 複雑な手順でも1つに絞ってよいか
「です・ます」と「してください」がある 落ち着いた敬体で、作業は直接伝える 案内メールでも同じ距離感か
行動後に何を確かめるかを示す 作業と確認できる変化をつなぐ 元情報にない効果を足していないか

まだ2つの例の共通点なので、本人のすべての文章に当てはまるとは決めません。根拠にした原稿、該当箇所、仮のルールをセットで保存します。自分の実物へ戻れることが大切です。

同じ未使用の課題で、指示なしAと文体仕様ありBを比べる

文体を分析した原稿とは違う、会議の話を入力にします。次の事実は、AにもBにも同じように渡す設定です。

「オンライン会議で担当が決まらず、同じ話が翌週も繰り返されている。会議の終わりに、誰が何をいつまでにするかを確認する。時間短縮などの実績数値はない。」

以下のA・B・改訂例は、比較の仕方を説明するために制作した短文です。特定モデルを別々に実行した測定結果ではなく、実際の精度や改善率を示すものでもありません。

A:文体ルールを付けない文章例

オンライン会議ではタスク管理が重要です。終了時に担当者、作業内容、期限を確認しましょう。同じ議論を繰り返さないためには、実施事項を明確にする必要があります。

B:仮の文体ルールを付けた文章例

同じ話を繰り返すと、会議を減らしたくなります。まず、終わる前に担当者を決めてください。担当が決まれば、翌週は話し合わずに進められます。

Bには、困る場面、具体的な指示、行動後の変化があります。見た目は参考文に近づきました。ですが、そのまま採用してよいでしょうか。

入力で確かめるはずだった「作業内容」と「期限」が消えています。「会議を減らしたくなる」という気持ちも、「翌週は話し合わずに進められる」という効果も、元の情報にはありません。

似た言い回しより、意味が残っているかを先に見る

同じ課題について、確認欄を埋めてみます。

確認すること A B
担当者・作業内容・期限の3項目を残したか 3項目ある 担当者だけの1項目
「まず」という言葉の回数 0回 1回
元にない感情や効果を足したか 該当する記述なし 会議を減らす気持ち、翌週の話し合い不要を追加
文章の運びは参考文に近いか 定義から始まり距離がある 場面→行動→変化の形は近い

ここで数字にしたのは、短文内の項目と単語の数です。AIの品質を測る一般的な精度指標ではありません。あなたの目的に合う確認項目を、出力を見る前に決めましょう。

Bの方が口調は近くても、意味の欠落があります。文章の自然さも別に読みます。単語の回数を合わせるために「まず」を毎段落へ入れれば、むしろ不自然になります。

自分で確かめるときも、AとBの入力、長さの条件、媒体、使うモデルや設定をそろえます。一度の比較で優劣を一般化せず、別の未使用課題でも確認してください。ルールを変えた後に同じ課題で直っても、その課題だけに合わせた可能性は残ります。

説明用の例:文体が近くても意味を失う:A:一般的な説明は担当・作業・期限の3項目を保持、B:形は近いは担当だけで1項目。気持ちと効果を追加、ルール1欄を修正は意味を保ち、元にない結果を足さない、改訂例は3項目を保持。実モデルの精度試験ではない
説明用の例:文体が近くても意味を失う。本文の手順・判断を整理した説明図です。

ルールを1か所直して、文章を再確認する

先ほどの仮ルールの「作業と確認できる変化をつなぐ」を見直します。変化を必ず書く条件にすると、材料がないのに都合のよい結果を足しやすくなります。

そこで、その欄を「入力の担当・作業・期限を残し、書かれていない気持ちや結果を足さない」に改訂したとします。文体のために意味を削らない条件を、仕様書へ戻して加えるのです。

改訂後の文章例

オンライン会議で担当が決まらず、翌週も同じ話をしています。まず、会議の終わりに「誰が、何を、いつまでにするか」を確認してください。担当だけでなく、作業と期限までそろえるのです。

担当・作業・期限の3項目が戻りました。「まず」は1回で、元にない会議削減の気持ちや効果もありません。場面から具体的な行動へ進む形は残せています。

この例を自然に読めるかという判断では、Aは一般的な説明、最初のBは言い切りが強すぎる文章です。改訂例も、毎回「まず」と「のです」で締めれば単調になります。意味の確認を終えてから声に出し、自分ならその場面でこう伝えるかを確かめてください。

ただし、これだけで本人の文体が完成したとは言えません。今回の会議の例へ合わせすぎていないか、残しておいた別の自作原稿や新しい題材で読み直す必要があります。意味が合っていても、自分なら使わない言葉があれば、その箇所を記録して判断しましょう。

手元のAIで試すときは、同じ条件を渡す

実際にあなたの文体で比較するなら、次のように指示します。自作原稿から抽出したルールを使い、機密情報は入れないでください。

Aへの指示例:

次の入力だけを使い、ブログの短い説明文を3文で書いてください。担当者・作業内容・期限を残し、書かれていない体験、数字、成果は加えないでください。入力:〔未使用の題材を貼る〕

Bへの指示例:

Aと同じ指示・同じ入力に、〔根拠付きの文体ルール〕を追加します。事実を保持する条件は変えません。

Aを作った後に条件を増やし、Bだけに守らせたら、文体ルールの比較になりません。使った指示全文と出力を保存してください。Bで意味が落ちたら、その版を採用せず、どの指示が脱落を招いたか調べます。ルールを変えた後は、同じ課題を再確認し、別の未使用課題でも試しましょう。

文体仕様書は、採用した理由と保留を残して育てる

仕様書には、次の項目を用意してください。

  • どの媒体・読者・目的で使うか。
  • 根拠にした自作原稿と該当箇所。
  • 採用するルールと、まだ仮説のルール。
  • 保持する事実・主張と、足してはいけないこと。
  • 未使用課題の入力、A/B、確認結果。
  • 今回変えたルール、版、次に試す課題。

誰かの語尾を増やすための辞書にせず、あなたが何を伝え、どう判断するかを残す資料にしていきましょう。プロフィールや実績も古い原稿から自動採用せず、現在の事実へ戻って確かめます。

この記事の記入シートをダウンロードする(CSV・記入例付き)

ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて使えます。記入例は説明用の架空例です。ご自身の情報へ置き換えてください。

仕様を実制作へ使うなら、AIでメルマガを作る工程や、自分の素材からKindle原稿を作る工程にもつなげられます。媒体が変わったら、その媒体で自然に読めるかも再確認してください。

今日するのは、あなたが自分で書いた文章を集め、共通点を1つだけ根拠付きで書くことです。そして別の題材で、意味と声の両方を確かめる。うまくいかなかった箇所をルールへ戻せば、毎回「もっと自分らしく」と頼み直す負担を減らせます。

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