セールス用のプレゼン資料は、商品を知ってもらうだけでなく、相手が「自分に合うか」を判断できるように作ります。相談で聞いた課題、望む変化、解決する内容、根拠、条件をつなげてください。見栄えを整える前に、この対応をそろえることが先です。
会社紹介、講座の目次、実績を並べたのに、説明後は「検討します」で終わる。そんなときはページを増やすより、「この人の、どの疑問に答えているか」を見直しましょう。あなたの資料が相手の判断に役立つものへ変われば、伝える順番も、残す情報も選びやすくなります。
ここでは架空の写真整理講座を、同じ相談メモから5枚へ組みます。表示文、確かめる根拠、言いすぎの修正例と、記入用CSVまで用意しました。以下は説明用に作った架空の講座・相談です。
説明する前に「何を決めてもらう資料か」を書く
初対面で概要を知ってもらう資料と、相談後に受講するかを決めてもらう資料は、必要な情報が違います。本記事では、すでに話を聞いた相手へ講座を提案する場面を扱います。
架空の相談者が「今月の旅行写真を家族へ送りたい。でも昔の写真も見始めて、選び終わらない」と話したとします。相談時に確認した条件は、スマホで作業することと、休日にまとめて取り組みたいこと。アプリ名、アルバム作成や共有操作の経験は、まだ聞けていません。
| メモの区分 | 説明用の記入例 |
|---|---|
| 本人が話した課題 | 旅行写真を送りたいが、昔の写真も見始めて終わらない |
| 望む変化 | 今月の旅行写真を選び、家族へ渡せる状態にする |
| 確認した条件 | スマホで作業。休日にまとめたい |
| 未確認 | アプリ名、アルバム作成・共有の操作経験、使える時間 |
| 今回決めたいこと | 下記の講座の範囲が、自分の目的に合うか |
この設定は説明用の架空例です。実際の相談記録や効果検証の結果ではありません。「スマホが苦手」「整理の習慣がない」といった、言われていない原因を足してはいけません。
未確認の操作経験が受講可否を左右するなら、資料を仕上げる前に確かめます。あなたが提案したい内容へ相談者の悩みを合わせるのではなく、聞けたことへ提案を合わせるのです。

営業資料の構成を、同じ講座の5枚へ当てはめる
今回の説明例では、商品を「旅行写真を選び、アルバムへまとめる録画講座」と決めます。条件は、総額3,000円の1回払い、視聴期間30日、質問対応なし。個別の写真選定やデータ復旧も含まない設定です。以下の金額・期間は、記事の練習用に決めた架空条件です。
次の5枚は、そのまま設計のたたき台へ写せる表示文です。読み上げる説明は、発表者メモへ分けました。あなたの商品へ置き換える際は、数字やサービス名だけでなく、根拠と対象外も一緒に直してください。
1枚目:まず、相談で聞いた課題を確かめる
スライドへ載せる文章
今月の旅行写真を送りたいのに、選び終わらない
・旅行写真を選んでいるうちに、昔の写真も見始める
・アルバム作成や共有の操作経験は、まだ確認できていない
・今回は「今月の旅行写真を家族へ渡す」ことを目指す
発表者メモ:「先ほど伺った内容をまとめました。写真を選ぶ範囲に加え、アルバムを作る操作や共有の操作で、分からないところはありますか。」
ここでの判断:違うと言われたら、その場で修正します。まだ聞いていない操作経験を、分かっていることにしてはいけません。相手が欲しいのが写真の復旧なら、次のページへ進む前に対象外と伝えます。
2枚目:提案後の変化を、同じ範囲で示す
スライドへ載せる文章
全写真を一度に整理せず、今月の旅行に絞る
今:旅行写真を選びながら、昔の写真も見直して止まる
目指す状態:今月の旅行写真を選び、家族へ渡すアルバムへまとめる
今回扱わないこと:過去の全写真の整理、消えた写真の復旧
発表者メモ:「家族へ渡す写真をまとめるところまでに、対象を絞る提案です。昔の写真を全部片づける講座ではありません。この到達点は、今回したいことに合っていますか。」
ここでの判断:全写真の整理を望んでいるなら、到達点のずれが残ります。相手の希望を小さく言い換えて、この商品へ押し込まないでください。
3枚目:何を学び、何をするのかを対応させる
スライドへ載せる文章
3つの工程を学び、ご自身の写真で進めます
- 対象を絞る:今月の旅行写真を選ぶ
- 基準を決める:家族に伝えたい場面の写真を選ぶ
- まとまりを確認する:旅行名のアルバムを開いて見直す
学び方:録画の説明を見たあと、ご自身で操作する形式
発表者メモ:「見るだけで写真が自動的に整理される商品ではありません。説明を見て、自分で対象を選ぶ作業があります。個別に写真を選んでもらう形式を望んでいる場合は、合わないことを先にお伝えします。」
ここでの判断:必要操作と対応端末は、実商品の教材に合わせて確認します。読者が自分の商品へ写すときは、「講義の名前」だけでなく、学んだあと何をするかを書いてください。
4枚目:成果の数字がなくても、判断できる中身を見せる
スライドへ載せる文章
学ぶ判断の例:同じ場面を何枚も撮ったとき
・家族に伝えたい場面は何かを決める
・その場面が伝わる写真を選ぶ
・元の写真は残したまま、共有用のアルバムで確認する確認したいこと:この判断の説明が、自分の迷いに役立つか
未測定のこと:整理時間が何分減るか、何日で終わるか
発表者メモ:「この3行は、説明用に作った判断例です。実商品では、あなたが用意した教材の該当箇所を見せてください。受講成果のデータがある場合は、その人の条件と期間も一緒に示します。まだ測っていない短縮率は付けません。」
ここでの判断:商品がこの判断を教えていないなら、資料だけへ足してはいけません。教材を作るか、提供できる判断へ説明を直します。事例を見せる場合も、似た条件かどうかを相手と確認します。
5枚目:条件を見せ、次に何を決めるかを伝える
スライドへ載せる文章
この条件で、目的に合うかを確認してください
・総額:3,000円/1回払い(架空条件)
・視聴期間:30日/録画教材
・質問対応、個別の写真選定、データ復旧:含まない
・申込前の確認:対応環境、開始日、利用条件次の判断:条件を確認して検討する/不足情報を確認する/今回は見送る
発表者メモ:「この資料を自分の商品へ直すときは、申込ページと同じ総額・期間・支援を入れてください。利用条件がまだ決まっていなければ申込を受けず、確定してから案内します。いま伺った目的に対して、確認したい条件はありますか。」
ここでの判断:必要な情報がそろえば提案を進められます。未確認が残れば、回答する人と時点を決めて保留します。不要と判断されたら、終了です。
5枚は、この相談を提案へ変えるための例です。比較候補があるなら比較ページ、社内承認が必要なら決裁者が確認する条件も追加します。ページ数より、相手の判断に必要な材料がそろっているかを見ましょう。
「今の状態」と「望む状態」は、同じ範囲で比べる
1枚目が「今月の旅行写真を選べない」なのに、2枚目が「家中の写真を一生管理できる」では、約束が大きくなりすぎています。今月の旅行という対象をそろえて、何が変わるかを示しましょう。
僕のストーリーテリング教材でも、伝えたい主張と、その前後の変化を対比させる考え方を扱っています。公開されている書籍の紹介・目次でも確認できます。ただし、前後を対比して話すことと、商品によって実際に成果が出たと証明することは別です。
資料の完成イメージは、未来の説明です。実績として使うなら、元の状態、実施内容、期間、結果を確かめられる記録が必要になります。
根拠のない効果と、含まれない支援を直す
「売れそうな言い方」を先に入れると、提供できることから離れがちです。同じ講座の資料で、次の表を見比べてください。
| 修正前の説明例 | 問題 | 修正後 |
|---|---|---|
| 写真整理の時間を半減できます | 半減という測定結果がない | 対象を今月の旅行へ絞る作業を学びます。短縮効果は未測定です |
| すべての写真が片づきます | 対象範囲が広がっている | 今月の旅行写真を選び、アルバムへまとめます |
| あなたに合う写真を一緒に選びます | 録画教材に個別選定は含まれない | 動画の判断例を見て、ご自身で写真を選びます |
| この方法なら誰でも安心です | 端末や作業条件を確認していない | 対応する環境と必要な操作を、申込前に確認します |
これらは新しく作った説明例です。実在の講座の誤表示や、特定ツールの出力を引用したものではありません。
直すときは、強い表現をすべて弱くする必要はありません。「今月の旅行写真に対象を絞る」「選ぶ基準を教材で確認できる」のように、提供できる中身を具体的にしてください。あなたの商品にある根拠まで消してしまうと、選ぶ理由も伝わらなくなります。

料金とサポートは、判断に必要な条件まで載せる
最後のページに「詳しくはお申し込み後」だけでは、判断できません。総額、支払回数、提供期間、サポートの範囲、キャンセルや解約の条件を、現在の商品案内と合わせます。
月額換算を示す場合も、支払う総額や契約期間を省かないでください。「1日いくら」と小さく見せても、実際に毎日その金額を払える契約とは限りません。受講者が負担と提供内容を一緒に比べられることが大切です。
分からない条件は「確認中」として回答の時点を決めます。その場で個別添削や延長を約束して、教材や契約の内容を変えてしまわないようにしましょう。
画面共有と持ち帰りで、資料の伝わり方を確かめる
資料を自分の商品へ置き換えたら、必要な動画の本数と長さ、実際の作業を並べます。動画1本10分を見る時間と、写真を選ぶ30分の作業では、必要な時間が違うからです。時間を案内するときも、学習者の経験や写真の量による差を分けてください。
商談中に口頭で補えることも、資料だけが別の人へ渡ると伝わらなくなります。各ページには、何を示した図か、数字の条件、対象範囲を残します。話すための長い原稿を全部載せるのではなく、判断に必要な説明が欠けていないかを見ます。
確認する相手を一人想定して、次の3問へ答えられるか試してください。
- 自分のどの課題へ、何を提案されているのか。
- その提案が役立つと判断する根拠は何か。
- 費用・条件・次に決めることは何か。
例えば、資料だけを読んだ人が「個別に写真を選んでくれる講座」と受け取ったら、3枚目と5枚目の提供範囲が伝わっていません。「ご自身で選ぶ録画教材」と表示文へ戻し、同じ人にもう一度確認してもらいます。文字が大きいかだけでなく、商品をどう理解したかを見るのです。
「5枚できた」で終えず、元の相談メモと照合します。資料にしか存在しない悩みや数字があれば、聞けたことと確認済みの証拠へ戻りましょう。
対応シートで、あなたの1件を資料へ変える
配布シートには、本人の言葉、望む変化、提案ページ、根拠、条件、修正理由を分けています。記入ガイドと説明用の架空例の隣が、あなたの空欄です。まず「聞いた課題」と「望む変化」を書き、1〜5枚目それぞれの表示文、口頭で補うこと、進む・保留の判断を書き込んでください。5枚目まで埋まったら、元の相談メモにない条件や数字へ線を引きます。確認できたものだけを残せば、あなたの提案のたたき台になります。お客様の情報を外部へ渡す際は、同意された範囲に整理してください。
この記事の記入シートをダウンロードする(CSV・記入例付き)
ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて使えます。記入例は説明用の架空例です。ご自身の情報へ置き換えてください。
シートでは、相談1件と提案する講座1本を選びます。1回目は、本人の発話と各ページの文章を並べ、聞いていないことが入っていないか確認してください。2回目は、商品条件と各ページを並べ、教材にない支援や数字を約束していないか見ます。相手の発話、提供する内容、次に決めること。この3つが対応したら、人に読んでもらう段階へ進めます。
あなたの次の商談でも、まず相談メモから一つの課題を選びましょう。その課題に答える内容を1枚へ置き、根拠と条件を隣に書く。こうしてつながりを確かめれば、商品説明を全部読む資料から、相手の判断を助ける資料へ進めます。
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あなたの経験を、講座と本で届けるには
今ある知識や経験を、講座や本にして必要な人へ届けたい方へ。僕の著書『マーケティング不要の次世代型コンテンツビジネス』で、何を商品にするか、AIとどう分担するか、学びたい人が集まる場所でどう届けるかをお伝えしています。

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