「オンライン講座を作りたい。でも、いつ完成するのか見当がつかない」
そんなときは、最初の1レッスンを試作してください。そこで使った時間を測れば、ネットで見かけた『最短○日』より、あなたの予定に合う公開日を考えられます。
制作期間を左右するのは、完成動画の長さだけではありません。台本を書き直す時間、録り直す時間、編集後に確認する時間。さらに、1週間に何時間を制作へ使えるかで、同じ講座でも完成する日は変わります。
この記事では、試作1本から残りの工数を計算し、週の予定へ入れるところまで、記入例を使って進めます。まず公開予定日を置き、作りながら見積りを直せる状態にしましょう。毎週末、終わりの見えない編集に追われる状態から抜け出せます。必要な時間が見えれば、家族と出かける予定を守りながら、講座を完成へ進められます。
制作期間は「必要な作業時間÷週の確保枠」で考える
「作業に32時間かかる」と「32時間後に完成する」は違います。平日の夜に2時間ずつ、週2回作るなら、使える時間は週4時間。32時間の作業には8週間が必要です。
考える順序は次のとおりです。
- これから必要な作業時間を出す。
- 週に実際に確保できる時間で割る。
- 外注の返答や公開審査など、自分の作業時間では縮められない待ち時間を別に置く。
残り作業時間÷週の制作時間=作業に必要な週数です。最後の週を端数のまま扱わず、使える曜日へ割り当ててください。外部の待ち時間が作業と並行できる場合は、単純に全てを足す必要はありません。先に終わらないと次に進めない作業を確認します。
こうして分けると、「自分の作業を増やせば短くなる期間」と「相手の返答を待つ期間」が見えます。夜更かしを重ねても変わらない待ち時間のために、睡眠や休日を削らずに済むのです。
まだ何を作るか決まっていない方は、オンライン講座の制作全体を7ステップで確認するところから始めましょう。作る範囲が変わるたびに、必要時間も変わるからです。

試作1本で、台本・収録・編集・確認を測る
試作に選ぶのは、あなたの講座でよく出てくる形式のレッスンです。操作実演が中心なら操作実演、スライドで説明する講座ならその形式で作ってください。
簡単な自己紹介だけを測ると、難しい本編の時間を小さく見積もってしまいます。反対に、特別に複雑な1本だけを全本数へ掛けると、大きく見積もりすぎます。形式が大きく違う場合は、説明・実演・ワーク解説などに分けて試します。
| 測る工程 | 含める作業 | 記録すること |
|---|---|---|
| 原稿・資料 | 台本、スライド、実演用データ | 新規作成と手直しの時間 |
| 収録 | 機材確認、録音、録り直し | 撮影した尺ではなく使った時間 |
| 編集 | 不要箇所の削除、音量、必要な補足 | 修正回数と迷った箇所 |
| 確認 | 見直し、書き出し、アップロード確認 | 映像・音・ワークが使えるか |
タイマーを止めるのは、制作から離れたときです。食事や別の仕事を挟んだ経過時間と、実際に手を動かした時間を分けましょう。原因を直すため、時間だけでなく「何に迷ったか」も1行残します。次の1本では、迷った箇所を先に確認できます。音量設定を探して20分止まったなら、設定を控えておくだけで次回の準備が楽になりますよ。
試作がそのまま講座に使えるなら、完成済みの1本として扱えます。本数を掛けるときに、もう一度この1本の時間を足さないことが大切です。
10本の講座を週4時間で作る記入例
ここからは説明用の架空例です。制作期間の平均値や僕の実績ではありません。試作を含む全10本のうち、1本は完成したものとします。
| これからする作業 | 計算 | 残り時間 |
|---|---|---|
| 残り9本の制作 | 1本2時間×9本 | 18時間 |
| 講座全体の固定作業 | 販売ページ・全体確認・設定 | 8時間 |
| 修正のために残す余裕 | 自分の状況に合わせて設定 | 6時間 |
| 合計 | 32時間 |
この表の「1本2時間」は試作で測った原稿・収録・編集・確認の合計、「固定8時間」は残りの講座全体だけの作業です。固定作業へレッスン編集をもう一度入れると二重計上になるので、どちらへ含めたかをそろえます。
週4時間なら32÷4=8週間。公開までに、作業の後でしか始められない確認待ちが1週間あるという仮定なら、予定は9週間です。
ここで「余裕は必ず6時間」と覚えないでください。試作で機材の不具合が多かった、協力者の確認が必要、初めての入稿がある。その不確かな工程を見つけて、余裕を置く理由を書きます。原稿作成が難しいレッスンと、定型的な説明レッスンの時間差が大きい場合は、本数をグループに分けて計算してください。
公開予定日は、作業開始日から9週間後と機械的に決める前に、休日・旅行・繁忙週を確認します。例えば週4時間でも、途中で2週間まったく作業できなければ、その2週間を予定へ加える必要があります。
週8時間を本当に確保できるなら、同じ残り32時間でも作業は4週間です。週末を全部制作へ回すつもりで計算したのに、実際は家族の予定で半分しか使えなければ、公開日は延びます。空いていてほしい時間ではなく、予定表に入れられる時間で計算しましょう。

城智英の制作動画:講座づくりの全体像
この記事の記入シートをダウンロードする(CSV・記入例付き)
ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて使えます。記入例は説明用の架空例です。ご自身の情報へ置き換えてください。
公開日から逆算して、週の制作枠を先に押さえる
「時間ができたら撮ろう」だと、別の仕事が入り続けます。僕は教材の中で、火曜日と木曜日の19〜21時を他者との定例にして、構成や収録を進めているとお伝えしています。自分の気分だけで決めず、人との約束として時間を確保する考え方です。
あなたも同じ曜日にする必要はありません。次の1週間で使える枠を先に置いてください。
- 火曜20〜22時:次のレッスンの原稿と実演データ。
- 土曜9〜11時:収録、音声確認、必要な修正。
- 日曜の短い確認枠:予定と実績を比べ、翌週の作業を決める。
これは予定の記入例です。編集に2時間必要なら、その時間も枠へ入れます。収録日だけ押さえて、編集を空き時間へ追いやらないでください。編集まで含めて今週の枠に入ると、撮ったままの動画がたまる苦しさを減らせます。完成済みのレッスンが増えれば、次の週末に何をするかも迷いません。
2本ほど作ったら、最初の見積りを更新します。これは固定の正解ではなく、初回の予測が外れていないか早く気づくための確認タイミングです。1本2時間のつもりが3時間だったなら、残り本数を新しい時間で計算し直します。遅れを気合いで埋めようとせず、公開予定日・範囲・協力者の分担のどこを変えるかを決めましょう。
短縮するのは手戻り。受講後の成果は削らない
僕も最初のUdemyコースには半年かかりました。その後は制作を振り返り、工程を変えて、月に1講座を作れるようになりました。これは僕の制作経験で、誰でも同じ期間で完成するという意味ではありません。
短くしたいときに見るのは、同じ作業のやり直しです。撮影後に構成を大きく変える、音声を確認せず全編録る、必要のないスライドを作り続ける。こうした工程は、先に試作すると気づけます。
一方、受講生が操作できるようになるために必要な実演や、聞き取れる音声まで削ってはいけません。見栄えの装飾を減らしても、約束した成果へ進める説明とワークは残します。
外注する場合は、自分が作業しない時間と、完成までの期間を分けます。依頼書、素材の受け渡し、初稿確認、修正、検収には自分の時間も必要です。制作代行の依頼範囲と検収の決め方を確認し、相手の納期と返答期限も予定へ入れてください。
制作期間についてよくある質問
28日で完成できますか?
作る範囲と使える時間によります。教材名や他人の完成日数を、あなたの納期としてそのまま使わないでください。試作して必要時間を測り、週の予定へ割り当てれば、28日で進めるには何を用意すべきかも判断できます。
動画が1時間なら、制作も1時間ですか?
違います。台本、準備、録り直し、編集、確認が必要です。動画の再生時間と制作の実作業時間を別々に記録しましょう。
作っている途中で公開日が延びたら?
残りの作業を再見積りします。販売予定を案内済みなら、変更内容と案内方法も確認してください。まだ告知前なら、成果に必要な範囲を保ちつつ、装飾や追加機能を次版へ回す方法もあります。
今日やるのは、1本作って時間を測ること
講座全体を完成させる前に、代表的なレッスンを1本作る。台本・収録・編集・確認を分けて時間を記録する。そして次の1週間の制作枠を予定へ入れる。
これなら「いつ終わるか分からない」という不安を、確認できる数字と予定へ変えられます。作るたびに見積りを直して、あなた自身の制作ペースを育てていきましょう。完成した講座を届けた後も、この記録は次の講座づくりに使えます。何度も同じところで悩まず、教える中身に時間を使えるようになるのです。
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あなたの経験を、講座と本で届けるには
今ある知識や経験を、講座や本にして必要な人へ届けたい方へ。僕の著書『マーケティング不要の次世代型コンテンツビジネス』で、何を商品にするか、AIとどう分担するか、学びたい人が集まる場所でどう届けるかをお伝えしています。

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